Adobe Illustrator

Adobe Illustrator

Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)は、アドビシステムズが販売するベクトル画像編集ソフトウェア(ドローソフト)である。

概要

イラスト制作は勿論のこと、ロゴタイプや図面、広告、パッケージなどをデザインする描画ツールソフトとして、印刷業界などあらゆる分野で使用されている。特にDTP業界においては印刷物(チラシや小冊子)制作ソフトとしてはデファクトスタンダードとなっていて、デザイナーはAdobe Photoshopと併せて使用する場合も多い。また、プラグインを追加することで、CADや3DCG機能などを拡張することもできるので、様々な分野のクリエイターが使用している。

Illustratorの一番の特徴はベジェ曲線で、これを使うことで簡単かつ強力な描画が可能である。形を構成する曲線や直線は、「ペンツール」により作られるアンカーポイントとハンドルのバランスで決まり、フォトレタッチツールの ようにカーソルの動きがそのまま線となるわけでないので扱いは難しい。しかし慣れるとユーザーの思い通りの線が直感で引け、細かい調整も素早くできるの で、とても便利である。ほかにも図形作成、着色、文字入力、画像配置など多くの機能があり、バージョンを重ねるごとに複雑な作業を楽にできるよう工夫され ている。

歴史、バージョン

もとはアドビシステムズ社内用のフォント制作・PostScript編集ソフトウェアであったが、1986年にMacintosh版が一般向けにリリース。1988年には、多くの新しい機能を導入したIllustrator 88(バージョン 1.6)がリリースされた。日本語版も発売されたが、88としての記述はなかった。

1989年に、バージョン 2.0 Windows版をリリースし、1992年に、バージョン 4.0 Windows 版をリリースしたがWindows定番のCorelDRAWの影に潜む結果になった。 Macintosh版はバージョン 3.0、5.0、5.5、6.0と順調に販売していった。 バージョン 7.0からはMacintosh版、Windows版両方販売した。

バージョン 9.0からはアピアランスの要素や効果の機能が付き大幅にパワーアップした。しかしその反面、まだ古いバージョンを使用しているユーザーとのデータ変換に 多くの人が悩まされている。例えば、使用頻度の多い「透明」の要素、「スタイライズ」機能などが使用できるようになったため、8.0以前のユーザーには、 その部分を加工するか、変換をして渡さないといけなくなった。

2003年にリリースされたCS(バージョン 11)からは、Mac OS X以上でないと使用できなくなり、Mac OS 9以前のユーザーは今でも8.0などのバージョンを使用している。新たに追加された機能としてはPostScriptによる3Dモデリング機能が追加した。

2005年、CS2(バージョン 12)をリリース。ビットマップ画像をベクトル画像に変換する「ライブトレース」機能などが追加された。

2007年、CS3(バージョン 13)をリリース。「ライブカラー」や「消しゴムツール」、アンカーポイントを強調表示する機能などが追加された。

2008年、CS4(バージョン 14)をリリース。複数のアートボード、タブウィンドウが使えるようになった。

2010年、CS5(バージョン 15)をリリース。「遠近グリッド」や「絵筆ブラシ」などの機能を追加した。

パッケージデザインとソフト起動時の画面は、バージョン10まではサンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしたものであったが、CS1(11)およびCS2(12)は「スタイリッシュ」な花に一新された。その後にリリースされたCS3(13)、CS4(14)、CS5(15)ではオレンジ色のグラデーションが使用された画面になっている。

また、CS2(12)から不正利用を防止する目的でアクティベーション(認証)が導入された。